予防の時代
これからは予防の時代といわれています。
決して人まかせではなく、自分自身が積極的にそれらの知識・ノウハウを獲得しようとする姿勢。
「いえの問題」もそうです。シックハウス、や生活住環境にもアレルギー問題に密接につながっています。
戦後日本ではアレルギー性疾患が激増したと言われています。
原因の一つが食事だといわれています。米の食事が減り、体内で免疫系を刺激するたんぱく質の摂取が増え、アレルギー体質が増加することになりました。
アレルギー性疾患のもう一つの原因に、ダニなどのハウスダストをあげることができます。
ダニってどんなもの?
室内にあるホコリ、そのホコリを調べれば容易にコナヒョウダニをみつける事ができます。(クワガタツメダニ、ケナガコナダニ)
ダニは卵から成虫になるまで約4週間、成虫になって約100日生きている間に、メスは毎日2〜3個の卵を産むので恐るべき繁殖力です。
ダニの大きさはみなさん小さいという事はご存知かもしれせんが、多くのダニは0.2〜0.8ミリの大きさで、超小型のホコリダニは0.1ミリ超大型でマダニの30ミリです。
高温多湿の環境がダニの温床に
ぜんそくの患者さんでもっとも多く見つかるアレルゲンはダニとハウスダストです。
現代の住まいの多くは気密性が高く、それに伴って多湿化が進んでいます。
エアコンで温度管理され、多湿化が進んでいる住まいは、ダニにとって絶好の繁殖環境です。
さらにクッションやぬいぐるみ、ペット、こまごまとした家具などが、ダニの死骸や糞を含むハウスダストの量をふやします。犬、猫、小鳥、ハムスターなど毛のあるペットはアレルゲンとなり、ダニのすみかにもなります。
アレルゲンの検査をしてダニやハウスダストに対するアレルギーがあると診断されたら、できるだけこうしたものを除去しましょう。
ダニは摂氏20〜30℃、湿度70〜80%の環境を好みます。またダニが大量に発生するのは主に6月から10月にかけてです。
人間や動物の抜け毛やフケ、カビなどを食べて生息しています。
ダニを退治するには、こうした条件をひとつずつ取り除いていけばよいのです。
ダニを完璧に退治するのはむずかしいですが、少しでも数を減らし、発作の誘引を遠ざけましょう。
ほこりやゴミをためずにこまめに掃除する
ダニの数はほこりやゴミの量に比例します。ほこりやゴミをできるだけ少なくするには、こまごまとした家具をなるべく置かない事です。
本やビデオ、CDなどはフタのできる棚などにしまします。この二つの事を心がけると掃除の負担が相当軽くなります。
掃除機には防ダニ機能つきのバックを装着し、出来るだけこまめに取りかえる事も大切です。掃除中は窓をあけ、室内にほこりをこもらせないようにします。排気ゼロの掃除機やまた水フィルター方式の掃除機も利用するといいと思います。
家具で水を使える材質のものは、かたく絞った雑巾でほこりを拭きとります。水を使えないものは、なるべくきれいな雑巾でほこりを拭き取ります。ハタキはほこりを舞いあがらせるだけですから使いません。テレビやCDデッキ、パソコンなどは、ほこりがつきやすいのでこまめに拭き掃除をします。
エアコンのフィルターの掃除が行き届かないと、ハウスダストやカビが風に乗って気道を直撃します。
家具の後にも風を送り窓の結露もこまめに拭く
風通しをよくすることは、ダニとそのえさになるカビ退治に有効です。
天気の良い日は窓を開けて換気をしましょう。押し入れや洋服ダンスの中、ピアノや電化製品、家具のうしろ側などにも扇風機で風を送ると良いでしょう。
窓の結露はこまめに拭き取り、台所や浴室、洗面所の換気も頻繁にしましょう。
寝具はよく乾燥させ目のつんだ生地でカバー
ふとんやベッドバッドは掃除機をかけて日光に干します。黒い布をかけると、温度が上がり乾燥しやすいようです。
湿気を避けるためには午後2時頃までにとり込みます。ふとん乾燥機を使うのもよいでしょう。
寝具は目のつんだ生地で覆うと、かなりダニを防げます。枕の中身は化繊綿やプラスチックパイプ、ウレタンフォームがよいでしょう。
毛のあるペットは飼わないのが原則
毛のあるペットはフケなどが吸入アレルゲンになります。とくに猫のフケは強力です。フケや毛はダニのえさにもなります。
すでに飼っていて手放せない場合は、居間などで飼わないようにします。小鳥やハムスターなどの飼育かごは、こまめに掃除します。あくまでペットよりあなたや家族の健康が第一です。
ぬいぐるみを手放せない場合は、数を少なくし、ときどき丸洗いして日干し清潔を保ちましょう。
室内環境 |
対策 |
寝具 |
防ダニ布団の使用、高密度繊維布団カバーの使用及びこまめな洗濯、日光干し、
加熱・乾燥、殺菌ランプによる処理、掃除機を用いた集塵。 |
じゅうたん |
使用しないことが望ましい。フローリングに貼りかえます。ホットカーペットもできるかぎり使用しない。
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ソファー |
布製のものは使用しない(皮製か合成皮革のものを使用します)。 |
ぬいぐるみ |
処分することが望ましいが、情操面から必要な場合には洗濯のできるものを少数にとどめます。 |
家具 |
数を減らす。扉をつける。ほこりがたまらないように家具の上に隙間をあけない。掃除のしやすさを考えて、家具の上に者を置かない。
移動できるようにして、家具の後を掃除しやすくします。 |
カーテン |
ブラインドに替える。洗濯しやすい素材のものにしてください。 |
ペット |
イヌ、ネコ、ハムスターなどの毛のはえたペットは飼わない。 |
掃除機 |
フィルター付きで集塵袋も二重になったものが望ましです。 |
鉢植え |
室内におかない。 |
洗濯物 |
室内に干さない。 |
暖房器具 |
石油やガスなどの化学物質の発生する器具は室外換気型が望ましいです。 |
建材 |
揮発性有機化合物を含有するものは避けてください。 |
タバコ |
受動喫煙をさけてください(家族が室内で喫煙をしない)。 |
乾燥機・除湿器 |
室内相対湿度を60%以下としてください。 |
室内の清掃 |
ダニは新築の家庭でも多く、掃除を念入りにするために一週間はできるだけ毎日、たたみ1畳あたり1分間をめやすに掃除機をかけます(週に1回20.秒〜30秒の掃除機かけにより、4週〜5週でダニ数は1/10になるといわれています)。
一度ダニを減少させれば、その後はていねいな掃除は週に一度でもいいです。 |
布団の清掃 |
週に一度、天日あるいは乾燥器にかけたあと、1uあたり1分間寝具の両面に掃除機をかける(布団用アタッチメント使用の場合は吸い付かない工夫をしている分、吸引力が弱いので片面2分間吸引)。
可能であれば時々布団を丸洗いするとダニが減少する。
場合によっては防カビ、防虫紙、高密度布団カバーを用いる。 |
薬剤の使用 |
ダニ:ダニ・シート、フェニトロチン
カビ:カビ取り剤(アルコール、次亜塩素酸ナトリウム)
※防カビ剤(サイアベンダゾール)は中毒の危険があるので要注意。 |
アレルゲンが寄りつきにくい部屋
工務店として出来る事
最近の住宅やマンションは超気密化が進んでいます。やっとシックハウス対策で24時間換気等、法令も整備されてきていますが、高断熱で24時間換気といったどうどうめぐりになっています。ハウスダスト、ダニカビの事はまだまだ目がむけられていないと感じます。
根本的解決には昔のすまいに習う事が多いと思います。
大手の先進の技術導入すまいとはちがい、町の工務店から出来る事、それは日本建築の四季ををいかにして快適にしてすごせるかといった先人の日本人の工夫や知恵をもう一度みなおし、「隙間のあるすまい」や伝統のある本来の家というあり方を考え施工する事です。最近ビルでも壁に打ち水作用を施した例もみられヒートアイランド対策も進められています。先人たちの知恵ですね。
密閉された住空間は今の都会の希薄な人間関係にもつながっているのではと私は思います。
大掃除の時畳の天日干しの姿は今ではみたことがありません。天日干し一つにしても掃除と地域のコミュニケーションの場
になります。
健康はお金では買えないと思います。あなたの普段の心がけ次第なのではないでしょうか?
(引用:家庭内公害・ハウスダストの恐怖 下山鉄師自己収集記事など) |
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