シロアリとアリの見分け方
どちらがシロアリでしょうか?
左がシロアリ、右がアリの羽アリです。
シロアリは名前や形、大きさ、生活様式などがアリに似ていますが、アリ
とは全く違う昆虫です。
アリとシロアリはつぎの点で簡単に見分けられます。
@アリの触覚は「く」の字状をしていますが、シロアリの触覚は真珠の
ネックレスのように数珠状をしています。
A羽アリの羽は前羽が後羽よりも大きいのに対して、シロアリの羽は
4枚ともほぼ同じ大きさで同じ形をしています。
Bアリは腰の部分がハチのように細くくびれていますが、シロアリでは
細くなっていません。
シロアリの種類・活動期・場所など
シロアリはいつ頃活動するのででしょうか?
日本では大まかにシロアリはイエシロアリとヤマトシロアリの2種類です。
シロアリの好む温度は25℃〜28℃とされており、6℃ぐらいから活動
します。
イエシロアリは6・7月の温暖多湿の夕方、ヤマトシロアリは
4・7月の比較的暖かい午前10時〜正午頃に飛び出します。
イエトシロアリは天井、梁(はり)、棟木(むなぎ)にまで上がってきます。
ヤマトシロアリは一般に地上1m位の範囲の用材を害します。
シロアリの生活には水が必要です。
特にお風呂場、台所、トイレ、雨樋(あまどゆ)などの落ち口などは攻撃
目標になります。
被害の様子
●土台と柱の被害
シロアリは地中から建物に侵入してくることが多いので、まず土台や床束、柱
等の下部が食害されます。柱が浮いたり、傾いたりして地震や台風の際
思わぬ大被害をうけ、とても危険です。
●小屋組の被害
シロアリは気付かぬうちに柱や壁などの内部を食い進み、ときには
被害が天井裏の小屋組にまで及びます。
●床板の被害
床下から侵入してきたシロアリは、床板を食い荒し、その上にある
畳や家具類まで食害します。
●モルタル壁内部の被害
モルタルやコンクリートブロック壁内部は
暗くて温暖多湿なので、シロアリに食害
されやすい場所の一つです。
●鉄筋コンクリート造校舎の床板の被害
最近、鉄筋コンクリートやブロック造建物の被害が
増えています。コンクリート造建物でも、シロアリは
ひとたび侵入すると、内部の木材や家具などを
食い荒らします。
●新建材の被害
シロアリは木材だけでなく、プラスチックや合成ゴムの
新建材も加害し、とくに発泡スチロールや発泡ポリウレタン
系の断熱材は木材より好んで加害されます。
●畳の被害
気付かぬうちに、たんすや家具類の下の畳がシロアリに
食害されていることがあります。
誰でも簡単にできるシロアリの発見
建物をシロアリから守るには、早期発見がなによりも重要です。
シロアリがついていないかは、素人でもつぎの手がかりで簡単に
調べられます。
(1)蟻道
束石につくられた蟻道 |
シロアリは地中から土でトンネル(蟻道)をつくって建物へ侵入してくることが多いです。時々建物の床下や周辺を調べて基礎や、束石・土台などの表面に蟻道がういていないかを確かめましょう。
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(2)蟻土
木材の接合部に盛られた蟻土
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シロアリは風や光を嫌い、適当な湿度を保つために、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を運んできて詰めたり、盛り上げたりします。 |
(3)食痕
木材におけるシロアリの食痕(木口面)
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シロアリは木材の軟らかい春材部を好んで食べ、硬い秋材部を食い残しますので、木口面では年輪に沿って同心円状の食痕を示します。シロアリは明るいところでは木材の表層を残して内部だけを侵食しますので、木材の表面から強く押さえたり、ドライバーでほじくると、簡単に穴があいたり、こわれたりします。
シロアリ被害が進んだ木材には内部が空洞になりますので、木材をハンマーでたたくと空洞音がします。 |
(4)建物の変状
木材におけるシロアリの食痕 |
シロアリ被害が進んだ建物では、家の中を歩くと、畳や床板がなんとなくくぼむ感じをうけたり、柱が下がり、棟や軒の稜線が波を打ち、屋根瓦がずり落ちたり、ふすまや障子、雨戸などのたてつけが悪くなったりします。 |
(5)羽アリ
内部だけをひどく食害された柱 |
羽アリの群飛期はシロアリが人前に姿を現す唯一の時期ですので、シロアリ発見の絶好のチャンスです。群飛の時期や時刻に注意していれば、シロアリの種類の判別にも役立ちます。
群飛期については上記を御参照ください。 |
(6)乾材シロアリの糞
ヤマトシロアリの群飛
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アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリは乾燥した木材だけを食害し、被害材の下に乾いた砂粒状の糞がたまっており、数10倍に拡大して見ると真ん中がへこんだ米俵状をしている場合は乾材シロアリの被害です。 |
早期発見と予防がなによりも肝要
シロアリは「暗黒の住者」と言われるように、通常、明るいところを避けて活動する習性がありますので、一般に人目につきにくく、気付いた時は被害が相当進行していることが多く、地震や台風による建物倒壊の原因となりとても危険です。
ヤマトシロアリの群飛
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浴室の更衣室と洗い場の間の基礎コンクリートに盛り付けられたイエシロアリの蟻土と蟻道。
基礎コンクリートを破って、洗い場のタイル床の下から発見されたイエシロアリの巣 |
大切な住まいをシロアリ被害から守り、地震や台風による被害を最小限に食い止めるためには、定期的にシロアリ調査を行ない、シロアリやその被害をできるだけ早く発見して退治することです。
それよりもさらに被害をうける前に、適切な予防対策を講じておくことがなによりも肝要です。
新築時の方が防蟻施工がやりやすい上に、比較的安価な経費で、しかも安全な防蟻対策を講じることができます。
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